不動産鑑定士の難易度は高い?合格率・合格ラインや偏差値まで徹底解説!
「不動産鑑定士の資格を取りたいけど、難易度や合格率はどれくらい?」
「不動産鑑定士に合格するためにはどれくらいの勉強時間が必要か知りたい!」
不動産鑑定士は、不動産系資格の中でも最難関の資格であり、取得を検討している方の中に上記のような疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか?
今回は気になる不動産鑑定士の難易度や人気の理由、そして勉強時間の目安などについて徹底的に解説していきます。
この記事を読めば不動産鑑定士の受験資格や偏差値、資格取得のメリットなど、不動産鑑定士の資格について正しい理解を得ることができます!
不動産鑑定士の難易度についてざっくり説明すると
- 合格率一桁の最難関資格
- 一般的に資格の取得までに数年を要する
- 2段階試験となっており、2次試験の論文式試験の難易度が高い
不動産鑑定士試験の難易度は高いの?
不動産鑑定士は不動産価値の鑑定を行い適正な価格を決定する専門家です。
司法試験・公認会計士と並ぶ3大国家資格とされ、非常に難易度の高い国家資格です。
そのため取得には数年かかるケースが多く、1~2年程度かけて計画的に対策を行うのが一般的です。
以下では不動産鑑定士の難易度を知るうえで押さえておくべき試験情報について詳しく解説していきます。
各試験の科目や配点について
不動産鑑定士の試験は2段階試験となっています。それぞれの科目は次の通りです。
短答式試験 | 論文式試験 |
---|---|
・鑑定理論 ・行政法規 |
・鑑定理論(論文) ・鑑定理論(演習) ・民法 ・経済学 ・会計学 |
では、各科目の配点や出題形式などを具体的に解説していきましょう。
短答式試験
短答式試験で実施される2科目の出題数はどちらも40問で、配点は100点となっています。出題形式は5肢択一式のマークシート形式です。
行政法規は、不動産鑑定士の業務をする上で必要不可欠な法令に関する知識を問われる試験です。
出題は短答式のみとなりますが、2科目のうちの一つなのでその重要性は非常に高い科目であるといえるでしょう。
一方鑑定理論は、不動産鑑定士が不動産の鑑定評価をする際の理論や手順に関する知識が求められます。
内容の体系的・本質的な理解が求められるため、普段の学習からしっかりと基礎力を固めて短答式やその後の論文式試験につながる思考力を養う学習を地道に実践する必要があります。
論文式試験
論文式試験は短答式試験の約3ヶ月後に実施されます。科目が多く難易度も高いため、短答式試験の対策と並行して学習を進めるのが一般的です。
それぞれの科目の出題数と配点の内訳は次のようになっています。出題形式は記述式です。
科目 | 出題数 | 配点 |
---|---|---|
民法 | 2問 | 100点 |
経済学 | 2問 | 100点 |
会計学 | 2問 | 100点 |
鑑定理論(演習) | 2問 | 100点 |
鑑定理論(論文) | 4問 | 200点 |
特に鑑定理論は、規範となる鑑定理論の知識を記述式で問われる「論文」とその知識をもとに鑑定評価の手法を実践できるか確かめる「演習」の2科目が出題されます。
2つ合わせて300点と全体の半分の配転を占める科目であることから、ここの攻略なしには試験を突破するのは非常に難しいといえるでしょう。
受験資格は存在しない
不動産鑑定士の試験を受けるための受験資格はありません。
かつては短大や大学卒などの条件がありましたが、受験人数の減少を主な理由として2006年に受験資格が廃止されました。
受験資格の廃止に伴い、学歴・年齢・性別といった受験資格がなくなり、現在は受験料さえ払えば誰でも受験することが可能です。
そのため、難易度を除けば不動産鑑定士の資格取得を目指すハードルは非常に低いと言えるでしょう。
不動産鑑定士の偏差値は?
不動産鑑定士とその他7種類の資格の難易度を表に表すと次のようになります。
資格 | 偏差値 |
---|---|
弁護士 | 73 |
司法書士 | 72 |
税理士 | 72 |
不動産鑑定士 | 68 |
社労士 | 62 |
宅建士 | 56 |
2級建築士 | 55 |
キャリアコンサルタント | 51 |
不動産鑑定士の資格を偏差値で表すと68という数字になります。不動産鑑定士よりも上の資格はれっきとした超難関資格であることから、不動産鑑定士の資格取得は難易度が高く、合格が厳しい試験であるということが分かります。
資格があれば試験が免除されることも
不動産鑑定士の資格以外に、自分が持っている資格や博士号の有無により、試験の一部の科目が免除される場合もあります。
具体的な例としては司法試験と公認会計士が以下の挙げられます。
- 司法試験に合格している場合は論文試験の「民法」
- 公認会計士に合格している場合は「会計学」及び「合格した試験の試験科目(民法または経済学が該当)」
がそれぞれ免除されます。
さらに大学で3年以上教授または準教授であった人、博士号を持っている人に関しても試験の免除が可能です。
そのため、厳しい条件ではありますが、試験勉強に必要な時間を大幅に削減することができ早期合格を目指すことも可能です。
ただし、一部の科目が免除されたからといっても難しい資格であることに変わりはないので、免除を受けられた方も合格までは気を抜かないようにしましょう。
働きながらの合格はかなり難しい
働きながら合格を目指すことは不可能ではありません。
ただ、不動産鑑定士試験は短答式と論文式の2つに分かれており、膨大な範囲を学習する必要があるため、片手間の学習時間で合格できるほど甘くないことはあらかじめ押さえておく必要があるでしょう。
働きながら十分量の学習時間を捻出するのは非常に根気のいる作業なので、目指す際は学習時間をしっかりと確保するという覚悟も同時に求められます。
不動産鑑定士試験の合格率・合格ライン
ここまで、不動産鑑定士は2つの試験からなる非常に難易度の高い資格で、難易度も高いということを説明しました。
以下の見出しでは、短答式試験と論文式試験それぞれの具体的な合格率と合格ラインについてまとめていきます。
不動産鑑定士の合格率
短答式試験と論文式試験では論文式試験の方が難易度が高く、合格率も低くなっています。それぞれの合格率を見ていきましょう。
短答式試験の合格率は約30%
短答式試験の合格率は約30%となっています。
以下の表は令和4年から過去8年間の合格率をまとめたものです。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
平成27年 | 1,473名 | 451名 | 30.6% |
平成28年 | 1,568名 | 511名 | 32.6% |
平成29年 | 1,613名 | 524名 | 32.5% |
平成30年 | 1,751名 | 584名 | 33.4% |
令和元年 | 1,767名 | 573名 | 32.4% |
令和2年 | 1,415名 | 468名 | 33.1% |
令和3年 | 1,709名 | 621名 | 36.3% |
令和4年 | 1,726名 | 626名 | 36.3% |
表から分かるように、過去6年間の合格率の平均は32%程度であり、人数にすると500~600人程度の受験者が合格しています。
宅建士の合格率が15~17%、行政書士の合格率が8~15%であることを考えると、難関資格と言われる割には比較的高い合格率のように感じます。
しかし不動産鑑定士の試験は短答式試験と論文式試験の2段階式試験となっており、論文式試験も含めると難易度は非常に高くなっているのです。
論文式試験の合格率は14%
32%程度の合格率である短答式試験と比べ、論文式試験の合格率は14%と低い数字になっています。
過去8年間の合格率を表にまとめて見ていきましょう。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
平成27年 | 706名 | 100名 | 14.2% |
平成28年 | 708名 | 103名 | 14.5% |
平成29年 | 733名 | 106名 | 14.5% |
平成30年 | 789名 | 117名 | 14.8% |
令和元年 | 810名 | 121名 | 14.9% |
令和2年 | 764名 | 135名 | 17.7% |
令和3年 | 809名 | 135名 | 16.7% |
令和4年 | 871名 | 143名 | 16.4% |
表から分かるように、論文式試験の合格率は平均14%程度、合格人数は110人程度と短答式試験よりも難易度が高くなっています。
母集団のレベルが高まったうえでのこの数字なので、対策には十分な時間をかける必要があることが伺えるでしょう。
短答式試験と論文式試験の合格率を総合的に判断すると不動産鑑定士の合格率が非常に低いため、計画的に勉強を進めていかなければなりません。
不動産鑑定士の合格点
不動産鑑定士の試験には明確な合格点が設けられておらず、他の受験生と比較した際の立ち位置で合否が決まる、いわゆる相対試験であると言われています。
そのため、その年の受験生の調整具合によって合格ラインは都度変動してくるのです。
ただ合格にあたっての目安は過去の試験傾向から図ることができ、短答式試験は70%以上、論文式試験では60%以上の点数を確保すると合格の可能性が高くなります。
以下では、両試験の具体的な合格ラインの変動についてチェックしていきます。
短答式試験の合格ライン
短答式試験の合格ラインは例年130~140点です。過去8年間の平均点・合格ラインをまとめました。
満点 | 平均点 | 合格ライン | |
---|---|---|---|
平成27年 | 200点 | 119点 | 140点 |
平成28年 | 200点 | 109点 | 128点 |
平成29年 | 200点 | 117点 | 135点 |
平成30年 | 200点 | 122点 | 138点 |
令和元年 | 200点 | 122点 | 140点 |
令和2年 | 200点 | 118点 | 133点 |
令和3年 | 200点 | 124点 | 140点 |
令和4年 | 200点 | 134点 | 150点 |
短答式試験の配点は、鑑定理論と行政法規それぞれが100点ずつで200点満点の試験となっています。
表の通り、200点満点中140点以上取れれば合格ラインを突破することができます。国土交通省が公表しているように7割ほど点数を取れば合格となっており、満点を狙う必要はありません。
7割程度の実力を養成しながら論文式試験の対策を並行して行うことが大切です。
論文式試験の合格ライン
論文式試験の合格ラインは例年350~380点程度です。
過去8年間の平均点と合格ラインをまとめました。
満点 | 平均点 | 合格ライン | |
---|---|---|---|
平成27年 | 600点 | 276点 | 378点 |
平成28年 | 600点 | 250点 | 348点 |
平成29年 | 600点 | 249点 | 347点 |
平成30年 | 600点 | 266点 | 376点 |
令和元年 | 600点 | 244点 | 353点 |
令和2年 | 600点 | 281点 | 380点 |
令和3年 | 600点 | 281点 | 380点 |
令和4年 | 600点 | 274点 | 369点 |
ここから、受験の際の目標を立てる際は380点をまずは超えるように意識することで合格ラインを突破する確率が大きく上がります。
試験には足きりがあるので注意
不動産鑑定士の試験には足きりの制度があり、各科目で一定水準の点数が取れない場合はたとえその他の科目の合計点が合格点に達していたとしても不合格になってしまいます。
具体的には3~4割を切ってしまうと不合格となってしまい、足きりも不動産鑑定士の資格取得難易度を上げている一つの要因です。
よって、対策の段階で満遍なくすべての科目を勉強し、苦手分野を作らないようにする必要があります。
勉強時間は2,000~4,000時間
不動産鑑定士の試験は2段階試験となっていますが、合格する為には合わせて2,000~4,000時間程度の勉強時間が必要です。それぞれの内訳は次のようになっています。
- 短答式試験(800~1,200時間)
- 論文式試験(1,200~2,900時間)
同じように難関資格として知られている司法書士・税理士の試験に必要な勉強時間は約3,000時間とされており、このことからも不動産鑑定士の難易度の高さが窺えます。
1日の勉強時間の目安
前述したように、不動産鑑定士の試験を受けるためには合計で2,000~4,000時間の勉強時間が必要です。1日どれくらい勉強すると必要時間に届くのか、具体的に計算してみたものが次の表となっています。
表では3年前・2年前・1年前・半年前の4パターンにおける3,000時間・4,000時間それぞれの1日の勉強時間目安についてまとめています。
勉強の開始時期 | 学習可能日数 | 3,000時間の場合 | 4,000時間の場合 |
---|---|---|---|
3年前開始 | 1,095日 | 2時間44分 | 3時間40分 |
2年前開始 | 730日 | 4時間7分 | 5時間28分 |
1年前開始 | 365日 | 8時間13分 | 10時間57分 |
半年前開始 | 180日 | 16時間40分 | 22時間13分 |
表から分かるように、3年前開始の場合は勉強時間の合計が4,000時間でも毎日負担なく勉強を進めることができます。反対に半年前開始の1日あたりの勉強時間は現実的だとは言えません。
1年から2年かけて勉強して資格の取得を目指す人が多く、1日あたり4~5時間程度勉強するというのが一般的ということがこちらの算出からもおわかりいただけるでしょう。
不動産鑑定士試験の合格者層
前述したように不動産鑑定士の試験には受験資格がありません。そのため合格者の年齢も様々です。
以下の表は令和4年の短答式試験における年齢別の合格者データをまとめたものです。
区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
30歳未満 | 401人 | 184人 | 45.9% |
30歳以上35歳未満 | 251人 | 107人 | 42.6% |
35歳以上40歳未満 | 241人 | 89人 | 36.9% |
40歳以上45歳未満 | 193人 | 66人 | 34.2% |
45歳以上50歳未満 | 178人 | 62人 | 34.8% |
50歳以上55歳未満 | 185人 | 46人 | 24.9% |
55歳以上60歳未満 | 140人 | 37人 | 26.4% |
60歳以上 | 137人 | 35人 | 25.5% |
この表から、合格者が幅広い年齢層に分布していることが分かります。
また30歳未満の合格率が約4割と一番高い数字であることから、年齢が若い人の方が合格率が高いといえるでしょう。
試験は膨大な範囲を学習する必要があるため、記憶力のよい20代のうちに合格を勝ち取るのが最善の策であるといえます。
不動産鑑定士の国家資格難易度ランキング
不動産鑑定士と他の不動産・建築関係国家資格の難易度をランキングにすると次のようになります。
偏差値 | 資格名 |
---|---|
不動産鑑定士 | 68 |
一級建築士 | 66 |
マンション管理士 | 60 |
宅建士 | 56 |
2級建築士 | 55 |
管理業務主任者 | 55 |
賃貸不動産経営管理士 | 50 |
以下では特に不動産系の国家資格とその難易度を比較していきます。
宅地建物取引士
宅建の合格率は約15%ほどとなっており、合格率の面では不動産鑑定士と大差ないです。
ただ、試験が宅建士は1回のみであるのに対し、不動産鑑定士は2回設けられているので、この観点で見ると不動産鑑定士のほうが突破は難しいといえるでしょう。
また、試験形式で見ても不動産鑑定士は本質的な理解が問われる論述試験がメインとなっているので、マークシートオンリーの宅建士と比較しても高い知識レベルが求められます。
以上より、総じて不動産鑑定士のほうが難易度は高いといえるでしょう。
宅建の難易度については以下の記事で詳しく解説しています。
マンション管理士
マンション管理士を取得後のステップアップのための資格として不動産鑑定士試験は位置づけられています。
不動産鑑定士はマンション管理士試験で問われる内容と比較しても、より高度な知識を求められるため、難易度は不動産鑑定士のほうが高いといえます。
両方の資格を取得することで、管理組合への質の高いコンサルティングを実行できたりと、その業務の幅は大きく広がります。
マンション管理士の難易度については以下の記事で詳しく解説しています。
管理業務主任者
管理業務主任者試験の資格偏差値は上の表から55となっており、68の不動産鑑定士と比べるとはるかに低い数字です。
不動産鑑定士と比べると非常に取り組みやすい試験であるため、難易度はかなり落ちます。
よって、不動産系の国家資格をまず初めに取得したいとお考えの方は、ぜひ管理業務主任者試験をチェックしてみてください。
管理業務主任者の難易度については以下で詳しく解説しています。
賃貸不動産経営管理士
- 合格率(29.8%)
- 受験資格(なし)
賃貸不動産管理に関する専門家であり、2021年4月から国家資格となりました。
取得することで賃貸に関する正しい知識を得ることにより賃貸住宅の様々トラブルに対応することができるようになります。
4肢択一のマークシート形式で、年1回試験が実施されます。受験資格がないため、受験料を払えば誰でも受験可能です。
合格率は近年下がってきているものの、30%ほどであるので不動産鑑定士よりは難易度の易しい試験であるといえるでしょう。
賃貸不動産経営管理士の難易度については以下の記事で詳しく解説しています。
建築士
建築物の設計及び工事管理を行う職業の事を建築士と言い、一級建築士と二級建築士で取り扱うことができる建物が異なります。一級建築士は建物に制限がない分、合格率が10%と難易度が高めです。
一級建築士の難易度はここまで紹介してきた資格の中では最も不動産鑑定士に難易度が近い資格です。
試験も択一式の学科試験と設計製図試験の2段階が用意されているので、知識は不動産鑑定士同様により詳細なものが求められます。
不動産鑑定士と難易度が近い一級建築士の詳細については以下で解説しています。
不動産鑑定士が人気な理由
この記事で説明してきたように、不動産鑑定士は非常に難易度の高い資格です。それにも関わらず国家資格の中でも人気を誇る資格です。
ここでは不動産鑑定士の主な人気の理由を3つ紹介していきます。
高収入が見込める
人気の理由一つ目は、高収入が見込めるという点です。
令和2年に発表された日本人の平均年収は436万円であるのに対し、不動産鑑定士の平均年収は約800万円前後であり、一般的な平均年収と比較すると2倍以上の年収です。
さらに転職や独立などの道もあり、自分の努力次第でかなりの高収入を期待することができます。
不動産鑑定士の年収は他の資格と比較しても高く、資格別の年収ランキングでも上位をキープしており、この点は人気の大きな要因です。
就職・転職にも有利である
不動産鑑定士の資格を持っていると、不動産鑑定の部署を設けている不動産会社への就職が非常に有利になります。さらに資格が有利に働くのは不動産業界だけではありません。
何度も述べているように、不動産鑑定は取得が難しい資格です。「難関資格に合格した」という事実は不動産業界以外の一般企業においても優遇してくれるケースが多いため、転職の際にも有利に働きます。
上記のことを考慮すると、難しい試験のための勉強も資格も想像以上に価値のある物だということが分かります。
一生使える資格である
不動産鑑定士資格は一度頑張って取得することで一生使えるものです。
定年はないので、自分のやる気さえあれば何歳になっても働き続けることが可能です。
また、不動産の鑑定評価と言うものは不動産鑑定士の独占業務です。そのため不動産鑑定士への仕事の需要がなくなることはありえません。
さらに前述したように、不動産鑑定士の資格は不動産業界以外の転職にも有利に働きます。
以上のことから、不動産鑑定士の資格を取得すると将来仕事に困るという事態に陥る心配はないと言えるでしょう。
不動産鑑定士は独学で合格できる?
繰り返しになりますが、不動産鑑定士は難関資格であり、独学には向いていません。
独学で合格するのは非常に難しい
独学が難しい理由としては科目内容の難しさと量による勉強時間の長さが挙げられます。この記事でも紹介したように、不動産鑑定士の資格を取得するために必要な勉強時間の目安は合計2,000~4,000時間です。
膨大な量の出題範囲を学習しなければならず、自分1人でモチベーションを維持しつつ毎日学習を続けるのはかなり大変なことです。
中でも論文式試験は記述式の試験のため、独学には向いていません。一人で学習を進めると論文の採点者がいないため、客観的に添削をしてもらうことができません。
以上のことを考慮すると、不動産鑑定士の資格を取得する場合は予備校に入って対策を行い合格を目指すことをおすすめします。
独学の際におすすめのテキスト
金銭面や時間確保の面から、どうしても独学でなければならない場合も考えられます。その場合、おすすめなのはTACの市販テキストである「もうだいじょうぶ!!シリーズ」です。
本テキストの特徴は、膨大な過去問を徹底的に分析し、頻出問題を中心にまとめられている点です。
効率的に勉強するポイントもまとめられているため、初学者でも取り組みやすく、無理なく基礎知識を学べる教材になっています。
独学の場合は自分のペースで勉強できるというメリットもありますが、モチベーションの維持や学習管理が大変です。あらかじめ計画を立てて学習を進めるようにしましょう。
忙しい社会人は予備校がおすすめ
どうしても独学でなければいけない場合を除くと、予備校の利用がおすすめです。
予備校には今まで多くの合格者を輩出している実績があり、長年の知識や豊富な情報を蓄えています。最短で合格するノウハウをもとに、無理なく学習を進められるようになっているのです。
忙しくて時間に余裕がない社会人でも、効率的に学習を進めることができるでしょう。
予備校はTACとLECの2社のみとなっていますが、リーズナブルな受講料で合格を勝ち取りたい方はLECがおすすめです。
TACと比べて17万円以上安い講座となっているので、金銭的に余裕のない方でも手の出しやすい講座となっています。
講座内容も充実しているので、不動産鑑定士の講座受講を検討している方はぜひ以下のリンクで詳しい講座内容を確認してみてください。
不動産鑑定士の難易度についてまとめ
不動産鑑定士の難易度についてまとめ
- 2段階の選抜が設けられており難易度は非常に高い
- 合格に必要な勉強時間の目安は2,000時間~4,000時間
- 受験資格がなく、誰でも資格の取得を目指すことが可能
ここまで不動産鑑定士の難易度について解説してきました。
不動産鑑定士は難易度の高い国家資格であり、出題範囲の膨大さから数年の勉強時間を必要とします。
合格率も低く合格までが大変な資格ですが、一度取得してしまえば一生役に立つ資格なこと間違いなしです。
不動産鑑定士の資格に興味がある人は是非取得に挑戦してみてはいかがでしょうか。